僕が声優として活動しているころ、映像で活躍している俳優さんと声の現場で一緒になる機会がありました
今回はその現場で感じた、声優と俳優の求められるスキルの違いについての僕の考えを紹介していこうと思います!
声優に求められるスキル
- 滑舌良く明瞭に話せる
- 音圧を一定にして話せる
- リップノイズがでない
声優に求められるスキルは芝居ができる以外にもこれだけ必要です
ひとつづつ説明していきますね!
滑舌よく明瞭に話せる
よく言われていることですが、声優には滑舌が大事
キャラクターが何を話しているのかわからなければ、物語も理解しづらいものになってしまいます
実は人間は細かい表情の変化から多くの情報を読み取っているんです
ドラマや実写映画では表情があるので、視聴者はセリフの内容や感情を表情を見て少し補正してくれています
しかしアニメでは、表情が人間に比べるとあまり動きません
表情でセリフを補正できないぶん、声優はより滑舌良く明瞭に話せなければいけないんですね!
音圧が一定にして話せる
音圧が一定というのは、簡単にいうと小さな声も大きな声も同じ大きさの音に聞こえるということ
これは先程の「明瞭に話す」ということにつながってきますね
アニメを見ていてセリフが大きくなったり小さくなったりしすぎると、見ている人にとってはかなり聞きづらいものになってしまいます
なので、小さい声はミキサーさんがマイクの集音レベルをあげて大きく聞こえるようにしてくれます
しかし、集音レベルを上げた状態で急に大きな声を出してしまうと音が割れてしまうので、きれいな状態で録音することができません
そういった機械的な問題を避けるためにも、声優は音圧が一定で話せなければいけないんですね!
リップノイズがでない
あなたはリップノイズという言葉を聞いたことがありますか?
リップノイズというのは「クチャ」とか「ペチャ」といった、不意に出てしまう口の音(ノイズ)のことを指します
唇(リップ)から出てしまう音(ノイズ)だからリップノイズというわけです。そのままの意味だね笑
声優さんが声を収録するマイクはかなり高性能!
ちょっとした小さな音も拾ってしまので、明瞭に滑舌良く喋りつつもクチャクチャした音を出してはいけないんです
アニメを見ていてセリフごとに「クチャ」とか「ペチャ」って音がしていたら、集中して見れませんもんね
声優には必須スキルと言えます
俳優に求められるスキル
- 表情での表現力
- 人間らしい自然な動き・反応
俳優にはこの2つが重要なスキルになってきます!
表情での表現力
俳優には細かな表情での表現力が重要なスキルになってきます
人間は少しの表情の変化から多くの情報を読み取ることができるんです
たとえば言葉では「ありがとう」と言っていたとしても、表情が笑っていなければ「あまり嬉しくないのかな?」って思いますよね?
逆に「ふざけんな」と言っている人が笑っていたとすると「楽しいんだろうな」とか「ふざけているのかな」といったように読み取ることができます
人間の気持ちの動きは、そういうことがもっと細かいレベルで表情に現れているんです
その細かい気持ちの動きを表情だけでも表現できるというスキルが、俳優ではより重要になってくるというわけですね
人間らしい自然な動き・反応
「コップに入った水を飲む」という芝居をひとつとってみても、
- コップを確認する
- コップをもつ
- 水の冷たさを手に感じる
- コップを口に運ぶ
- 水の冷たさを口に感じる
- 水を飲み込む
- おいしい!
といった感じで、動作ひとつ見てみてもこれだけ細かいできごとが連続しています
俳優はこれを自然にできなければいけません
芝居の動きはふだんの生活でしている動作かもしれませんが、お芝居として「コップに入った水を飲む」をやるとなると、どうしても不自然になってしまう人がいるんです
これは目的なく決まっている動作をしているために起きることで、簡単な動作も自然にできるという事は俳優の大事なスキルです
まとめ|声優には声優、俳優には俳優のスキルが必要!
僕がパッと思いついた声優と俳優の求められるスキルについて紹介させていただきました
僕は声優の勉強を中心に勉強していたので、映像の現場にいったときはどうしても不自然になりがちだったんですよね
オーバーに芝居をするのが声優では普通ですし、明瞭すぎる声も声優では必須スキルですが、映像では不自然に聞こえてしまうんです
逆に、動きながら芝居をすることが普通な俳優さんたちと声の現場で一緒になると、体が動いてしまってノイズが出たり、リップノイズでNGを出してしまったりと大変そうでした
声優・俳優のどちらにもその道を極めたプロがいるように、芝居ができるからと言って簡単に両方できるというわけではないということ
お芝居を勉強してプロの役者になるなら、今後どのようなメディアで活躍したいのかを明確に決める必要がありますね!
そこで求められているスキルを極めていかないと、中途半端な役者になってしまいますよ
そんな感じ!ではではー!!



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