プロの声優なら「スタジオで演技をすればお金がもらえる」と思っているひとは多いんじゃないでしょうか?
それ、半分正解で半分は間違いです!
声優は本番でスタジオに入るまでにやらないといけない事前準備が沢山あるんです
今回は実際にプロの声優がスタジオに入るまでの流れを細かく紹介していきます
声優がスタジオで収録するまでにしていること
台本チェック
台本をもらったらまずは台本チェックです
台本から読み取れる情報を整理していきます
- ストーリー・世界観の確認
- キャラの性格・人間関係など
- 物語上でのキャラの役割
- 漢字・英語の意味や読み方
- 言葉のイントネーション・アクセントの確認
パッとに思いつくだけでこれだけあります
そして台本から読み取った情報からイメージを膨らませて役作りをしていくわけですね
もちろん、キャラクターイラストも参考にしていきます
ストーリー・世界観の確認
アニメも映画でも、現実ではありえないようなSF設定の世界観がある作品が多いので全部頭に入れます
そして、この物語がどのように進行していくのかを確認します
演技はクライマックスに向かって組み立てていかなければいけないので、演技プランも考えていきます
キャラの性格・人間関係の確認
自分が担当するキャラクターの性格を理解します
身長・体重・顔立ちといった基本的なことから、趣味や苦手なものまで、台本や設定からわかることは全部把握します
書かれていない部分も自分で想像して当てはめていきます
人間関係もキャラクターを作る上で重要な要素です
人間って、実はひとと話をするときに無意識のうちに対応のしかたを使い分けているんですよ!
あなたも好きな子と話すときと上司と話すときでは、声色や話し方が違っているはずです
そういったステータスや人間関係も整理して明確にしていきます
物語上でのキャラの役割
物語上でのキャラクターの役割を明確にします
各キャラには物語のなかでやらなければいけない仕事があるんです
途中で死んでしまう役でも「劇的に死ぬ」のと「あっさり死ぬ」のでは視聴者がうける印象は違ってきますからね!
担当するキャラに制作側が何を求めているのかを考えなければいけないということです
漢字・英語の意味や読み方
台本で読めない漢字があれば辞書を引きます
アフレコスタジオで漢字が読めないなんて論外です
また、セリフの中には英単語も頻繁に登場することがあります
普段では何気なく使っている和製英語でも、意味をはっきりさせるために必要なら辞書を引いたりインターネットで調べます
調べた漢字や英単語は台本に書き込んでいつでもチェックできるようにしています
言葉のイントネーション・アクセントの確認
私生活では少しくらいイントネーションやアクセントが違う、いわゆる「なまっている」なんて事があっても問題ありませんよね
言葉の意味さえ通じれば、会話は成立します
ですが、自分が話す言葉が商品・売り物となる声優の世界では「イントネーション・アクセントが決められたものと違う」というのは通用しません
「生まれも育ちも東京だからなまったりしないよ!」
と思う方も多いと思いますが、実際に声優の仕事をしてみると放送でつかえる言葉と普段の言葉はちがうことがよくあるんですよね
なので、少しでも怪しいと思ったセリフはアクセント辞典で調べます
アクセント辞典は声優のマストアイテム!
時代の中で一般的になってきている順番でアクセントが紹介されています
辞書で調べても、どれが正解かわからないときはスタジオで音響監督に聞くことになるのでメモします
映像チェック
映像が事前に用意されている場合は、映像をみながらチェックします
洋画の現場では映像を借りれることが多いのですが、アニメの現場では映像チェックが収録当日になってしまうこともあります
映像でチェックしているポイントとしては以下の3つ
台本だけでは読み取れない情報を確認して演技に活かしていきます
アフレコ練習
台本・映像をチェックが終わって、やっとアフレコの練習をします
口パクに合わせるためにセリフのスピード調整
セリフをいうために、注意するポイントを台本に書き込んでアフレコ収録へ向けての準備をします
必要ならタイムコードを書き込んで、収録当日にミスがないようにします
もちろん、言いずらい言葉があれば綺麗に話せるようにする練習も欠かせません!
収録日は3時間前には起きて声が出る状態に
スタジオ収録当日は、収録開始の3時間以上前には起床します
人間って寝起きは声がうまく出せないんです
起きてから3時間たってくると、その人本来の声が出てくるようになります
ベテラン声優なら起きてからそのままスタジオへ向かっても本来の声が出せるかもしれません
ですが、まだ体ができあがっていない新人は、スタジオ収録前には発声練習をして体を整えてから収録に向かうひとも多いです
ぼくも収録の前には1時間ほどカラオケで発声練習をしていましたね笑
ここまで準備をしてアフレコをするんです
さいごに|声優の仕事はアフレコまでに沢山の準備が必要!
声優がアフレコを行うまでの準備の過程を紹介してみました
読んでくれた方の中には「台本をみながら映像に声を当てているだけの簡単な仕事」だと思っていた方もいたのではないでしょうか?
実際は台本をチェックだけでもかなりの労力がかかっています
特に新人声優は、ひとつの仕事を準備するだけでも沢山の時間をつかいます
ですが、どれだけ準備に時間をかけようと、ひとつの仕事でもらえる金額は15,000円程度です
時給にすると1時間1000円もいかないひともたくさんいる世界なんですよね
しかし、声優は現実とは違う世界で生きて、それが多くの人にみられるというやりがいのある仕事でもあります
仕事にやりがいを求めるひと、お芝居が大好きなひとじゃないと続けられない仕事ですね
声優というと綺羅びやかなイメージが先行していることが多い仕事ですが、実際は地道な作業を繰り返す泥臭い仕事です
声優になりたいと思っている方は、プロになってからでもここで紹介した地道な作業を続けていけるのか改めて考えてもらえればと思います
声優になる方法については「【まとめ】声優になるには?声優事務所に入る5つの方法!!」で詳しく解説していますので合わせてご覧ください!
そんな感じ!ではではー!!


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